2009年 11月 16日
試合のために「必要なこと」
今日は、スポーツクラブの子供たちの「発表会」でした。
まだまだ初級の子供たちばかりでしたが、少なからず緊張し集中した姿は、とても立派に感じました。 そして、本部から「稽古補佐」として参加した少年部上級者の三名は、すっかり「慣れた」趣で落ち着いて、それはそれで何やら頼もしくも微笑ましくも思ってしまいました。 さて、次の試合まで幾ばくかの日時になってきました。 選手のみなさんは、それぞれの思いで、各々の稽古を積んでおられることと思います。 そして、そんな日和ですので再度「試合に必要なこと」を書き留めてみたいと思います。 実戦(極真)の試合にあって、その試合形態の特異性に適合した「身体作り」が、まずはあげられます。 一つに「体力=スタミナ」ですが、よく例えられるものとして「3分間ダッシュを最低3本繰り返して大丈夫な心肺機能。つまり、800mダッシュ連続3〜5本」ということになります。 ただ、これは「突いたり蹴ったり」する体力ということも当然なのですが、実は、それ以上に「打たれるスタミナ」という重要な一面もあることを忘れてはなりません。 緊張と昂揚の試合の最中、ただでさえ心拍数や息は上がっています。 そこへ相手の無数の打突が、胸や腹に飛んできます…効かされないよう意識するしないに関わらず、息は正常には出来ない、身体が固まる…結果、あるはずの「体力」は、意に反して瞬く間になくなっていく、それが現実の「殴り合いの世界」です。 これは、たとえ子供たちや一般の試合に関わらずです。 どんなに「体力=スタミナ」をつけても、きりがないのが、この世界です。 ですから、選手を志す者にとって、この際限のない「スタミナ稽古」は、試合に臨むための一つの登竜門となり、必須条項ともなるのです。ただし、だからと言って、それだけに拘るようでは、片言一句でしかないことも忘れてはならない。 自身の器(体格・資質・年齢)に合わせた適正な「体力」をつけていくことは、何事においても大切なことではありますが、それをいかに適切に状況に合わせ、過不足なく使っていくかが大事。 そして、その「体力」が、「カラテ=組手」の体力になっていることも、大切である。 次に「打たれ強さ」が、上げられますが、これは前の「体力強化」と相関関係にあると考えます。 確かに歴代の弟子たちを見ていても、体力のある者は総じて「打たれ強く」もあります。 適切な筋力強化によって「筋肉と適正の脂肪は鎧となる」の例え通りと言えなくもありません。 しかし、だからと言って愚直に相手と真っ向勝負ばかりでは、臨むところの上を目指す確率は、低くなることも周知しておかなければならない。 ただ、この「能力」に関しては少なからず「生まれつき=資質」が、関与していることも認めざるを得ない事実でもあります。 その両方を手に入れるための「稽古方法」は、千差万別と言えましょう。 競技者の資質等によって、その「強化方法」は、違うことの方が多いと実感しています。ですから、一般的に公倍数として誰にも当てはまる「稽古方法」を私は、選手そして道場生に勧めているのです。 しかし、それも、競技の質(大会・試合のレベル)や選手の資質、試合の経年進化によって、それらは、順次「深化」させていかなければならないと実感しています。 稽古のやり方が、昔のままで良い法というのは、どの世界でもありえません。 教える側も、そして教わる側も、そのことを真摯にとらえ日々の稽古に臨むべきなのでしょう。 自分に合えば、どんな稽古でも取り入れてみる進取にとんだ気風こそが、私たちの「カラテ」なのですから。 三つ目は、それら絶対量に支えられた稽古から活かされる「心」「意」です。 それらは、「自信」となって多くは顕われるものです。自分を信ずること。自分のやってきたことを信じられてこそ鍛え上げた「技」は「術」を伴って「本当の技」となるのです。 確かに正しい稽古をやっていればこそ「自信」は、生まれてくるモノです。 しかし、いくらやっても、心の不安はぬぐい去れないのもまた「人」というものです。 そんな有りのままの自分を正しく受け入れるのも「稽古・修練」なのだと思い入れましょう。 そのために教えてくれる者が、そして同じ苦しみを共有してくれる「仲間」が、いることを忘れないで頂きたい。 そして、どんな稽古を積んでいるときでも、いつでも「試合」を頭の中で強く意識し臨むことであり、たえず「平生」と「熱情」半々でなければならない。熱すぎても冷め過ぎていても、ままならないのが「組手」です。 さて、それでは「技」は、どんなものが有効か。 そして、その強化とは、どうすれば 長くなりましたので…残りは次回に…。
by katsumi-okuda
| 2009-11-16 00:53
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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