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武道カラテ稽古日記

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試合のために「必要なこと」

 今日は、スポーツクラブの子供たちの「発表会」でした。
まだまだ初級の子供たちばかりでしたが、少なからず緊張し集中した姿は、とても立派に感じました。
そして、本部から「稽古補佐」として参加した少年部上級者の三名は、すっかり「慣れた」趣で落ち着いて、それはそれで何やら頼もしくも微笑ましくも思ってしまいました。

 さて、次の試合まで幾ばくかの日時になってきました。
選手のみなさんは、それぞれの思いで、各々の稽古を積んでおられることと思います。
そして、そんな日和ですので再度「試合に必要なこと」を書き留めてみたいと思います。

 実戦(極真)の試合にあって、その試合形態の特異性に適合した「身体作り」が、まずはあげられます。
 一つに「体力=スタミナ」ですが、よく例えられるものとして「3分間ダッシュを最低3本繰り返して大丈夫な心肺機能。つまり、800mダッシュ連続3〜5本」ということになります。
ただ、これは「突いたり蹴ったり」する体力ということも当然なのですが、実は、それ以上に「打たれるスタミナ」という重要な一面もあることを忘れてはなりません。

緊張と昂揚の試合の最中、ただでさえ心拍数や息は上がっています。
そこへ相手の無数の打突が、胸や腹に飛んできます…効かされないよう意識するしないに関わらず、息は正常には出来ない、身体が固まる…結果、あるはずの「体力」は、意に反して瞬く間になくなっていく、それが現実の「殴り合いの世界」です。
 
これは、たとえ子供たちや一般の試合に関わらずです。
どんなに「体力=スタミナ」をつけても、きりがないのが、この世界です。
ですから、選手を志す者にとって、この際限のない「スタミナ稽古」は、試合に臨むための一つの登竜門となり、必須条項ともなるのです。ただし、だからと言って、それだけに拘るようでは、片言一句でしかないことも忘れてはならない。
 自身の器(体格・資質・年齢)に合わせた適正な「体力」をつけていくことは、何事においても大切なことではありますが、それをいかに適切に状況に合わせ、過不足なく使っていくかが大事。
そして、その「体力」が、「カラテ=組手」の体力になっていることも、大切である。

 次に「打たれ強さ」が、上げられますが、これは前の「体力強化」と相関関係にあると考えます。
確かに歴代の弟子たちを見ていても、体力のある者は総じて「打たれ強く」もあります。
適切な筋力強化によって「筋肉と適正の脂肪は鎧となる」の例え通りと言えなくもありません。
しかし、だからと言って愚直に相手と真っ向勝負ばかりでは、臨むところの上を目指す確率は、低くなることも周知しておかなければならない。
 ただ、この「能力」に関しては少なからず「生まれつき=資質」が、関与していることも認めざるを得ない事実でもあります。

 その両方を手に入れるための「稽古方法」は、千差万別と言えましょう。
競技者の資質等によって、その「強化方法」は、違うことの方が多いと実感しています。ですから、一般的に公倍数として誰にも当てはまる「稽古方法」を私は、選手そして道場生に勧めているのです。
 しかし、それも、競技の質(大会・試合のレベル)や選手の資質、試合の経年進化によって、それらは、順次「深化」させていかなければならないと実感しています。
 稽古のやり方が、昔のままで良い法というのは、どの世界でもありえません。
教える側も、そして教わる側も、そのことを真摯にとらえ日々の稽古に臨むべきなのでしょう。
自分に合えば、どんな稽古でも取り入れてみる進取にとんだ気風こそが、私たちの「カラテ」なのですから。

 三つ目は、それら絶対量に支えられた稽古から活かされる「心」「意」です。
それらは、「自信」となって多くは顕われるものです。自分を信ずること。自分のやってきたことを信じられてこそ鍛え上げた「技」は「術」を伴って「本当の技」となるのです。
確かに正しい稽古をやっていればこそ「自信」は、生まれてくるモノです。
 しかし、いくらやっても、心の不安はぬぐい去れないのもまた「人」というものです。
そんな有りのままの自分を正しく受け入れるのも「稽古・修練」なのだと思い入れましょう。
そのために教えてくれる者が、そして同じ苦しみを共有してくれる「仲間」が、いることを忘れないで頂きたい。
 そして、どんな稽古を積んでいるときでも、いつでも「試合」を頭の中で強く意識し臨むことであり、たえず「平生」と「熱情」半々でなければならない。熱すぎても冷め過ぎていても、ままならないのが「組手」です。

 さて、それでは「技」は、どんなものが有効か。
そして、その強化とは、どうすれば
長くなりましたので…残りは次回に…。
by katsumi-okuda | 2009-11-16 00:53 | 稽古日誌