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武道カラテ稽古日記

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武としての「美」

 今日も、日がな一日雪が舞っています。
当然ですが…寒いです…とても…。

 子供達も、それぞれに新しい型や動きを修得中です。
「型は、まず格好よくやれるようにしよう。強いアニメのヒーローはかっこいいでしょう!?」「そのためには基本の一つ一つが、まず正しくなくてはいけない。それと、その動きの途中も正しくなくてはいけない。でないと格好良く、綺麗に見えないでしょう」「それが出来たら、それが強く見えなくてはならない。まるでその技で人が倒せる程…」
 
 子供達に型を学ばせる時に、よく私が言う事です。
子供達にとって学ぶ意味の分かり難い型を修得させるため。
無論、私達大人でも考え易い例えとして用いても良いと思っていますが…。

 強い動きとは、どのようなものであれ「美しい」もの。美しくなければ、強さは見えてこないもの!?かもしれません。

「バレリーノとは、喧嘩するな」これは西洋の諺です。
以前、総裁の書籍にもあった一文ですね。バレリーノとは、男性のダンサーの呼称です。よく考えてみると長時間息も切らさず舞台狭しと舞い続け、人の頭以上に飛び上がり、まして片手で軽々とバレリーナを持ち上げ踊る姿は、私達からしても驚嘆の一言。実は、その機敏で無理の無い持続的な動きは、ある身体訓練法(舞台俳優やダンサーには世界的に有名)によるものなのです。
 その身体訓練法とはモーシュ・フェルデンクライスというユダヤ人物理学者が考案した「身体性の物理」に関する世界初の理論体系「機能統御」と呼ばれたものが、主としてポーランドやフランスのバレー界においてダンサー達の基本的な身体訓練として普及し、一般に「フェルデンクライス身体訓練法」と呼ばれるようになった。

 物理学者であるフェルデンクライス博士の興味が、バレーや演劇の場で、どうすれば観客を心から感動させることが、演者の動きで表現出来るかどうかという芸術的なことに終始したとされるように、私も是非に武の「美」を探ってみたい者だと思うのですが…何せ薄学な為に兎も角日々の稽古から実践で掴むしか無いと思っております。

 私も若い頃、叔母に勧められ(カラテに煮詰まっていた時期、色々な事をやっていました)日舞の真似事や能・狂言の動き、果ては比叡山のお坊さんの歩き方や所作まで真似ておりました。もともと一つの事にハマると突発的な凝り性なせいもあり、かなり乱学をやってしまいます…後先関係なく…。
 ですが、それも「糧」です。今となっては、それら全てが私の「動き」になっているのですから、面白いモノです。

 武の美とは、稽古、実戦の中でしかつかめないものと実感しています。いくら理を説いても、実が伴わなくては何にもなりません。型をいくら綺麗にこなしても、その「先」を目指さなくては「勿体ない」と思っています。

 みんな新しい型や動きに苦心していますね。
「型一千回から本物」その言葉を胸に、まずは稽古あるのみですね。私は、少なくとも一万回やらなくては話しになりません。人の先に立つ者としては、当然ですから…。
by katsumi-okuda | 2008-02-07 01:08 | 稽古日誌