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武道カラテ稽古日記

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…ふと思い起こす「出目」

 この前TVで北海道「札幌」が映っていました。
懐かしく…って言っても、もう四五十年も前の話しですが…。
私の生まれは北海道の札幌市内(北大前)です。
ちなみに父方は東京赤坂、母方は鹿児島…そして、血は半々ですが、どうやら「鹿児島」の血が強いような気もしますが、年齢と共にだんだん「父」に似てきています。そして、ふとした顔の角度が、早くに逝った「次兄」に似ていると言われることが多くなりました。

 本当に遠い「過去」になってしまいました。
…高く広い体育館…西日の差し込む夕方、隅にある大きく黒いモノ、それが「サンドバック」だと知ったのは小学生になってから…。
私は、そのころまだ確か年少、三歳になったかならないかの時…大学生に「空手」を教わっていたと聞きます。
 何をどう習ったかは覚えていないのですが、楽しかったから続けていたのでしょう…教えてくれた大学生の顔も姿も全く解りませんが、何かその顔が「笑顔」だったような…気もします。
…それが、私のカラテの一つの「原風景」なのかもしれません。
いずれ、機会があれば、また訪ねてみたいものだと思うのですが、なかなか…。

 マンション内の「公園」の街頭に照らし出される「次兄」の顔…。
涼やかに笑みを浮かべているように思える…組手の最中だというのに…。私は高校生…本当に毎喧嘩三昧の日々、いくら兄でも負ける気はないが…本気でいくら突っかかっても「勝てない」!!
業を煮やして得意の飛び技(飛び上がり、頭から肘を落とす、または膝蹴りか前蹴り)に!!兄に向かって飛び上がる…刹那、兄は私と同時に飛び上がる…そして私に手を掛けたかと思う間もなく…。
空中で投げられた!?背負い投げ!!?激しい衝撃と共に地面に叩き付けられる!!息が…今でもその時の息苦しさを思い出すとゾッとする…本気で死ぬかと思った。断末魔ってこんななんだ…何故か納得した…兄は…先ほどと変わらぬ涼しげな、そして優しげな微笑みをみせながら、自分の道着を直している…。
「絶対に今は、勝てない…でも、コイツの稽古についていこう、そうすれば…いつか…」悔しくて仕方なかった…そして兄弟なのに畏敬の眼差しで「次兄」を見上げていた。
 もう一つの「原風景」です。

その「次兄」も、今はおりません。
生真面目で優しく、どんなことにも平生を保ち続けた「次兄」…武道としての少林寺拳法を追求し、天才と称された「彼」は、不治の病と知りながらも、日々の稽古と勉学に努めていた…その姿に一歩でも近づきたい…その後ろ姿を私は、今でも追っている気がしてなりません。
…秋の夜長、少し柄にも無く「センチ」になっているのでしょうか…
今は、哀しくありません。それより、懐かしく心温かく思い起こせる「次兄」との激しい「稽古」…毎日々、死ぬかと思う程やらされました。怪我も嫌と言う程させられました…右目眼底骨折、手首、肘脱臼(関節技で外された!!)数度、肋骨骨折無数…兄弟とは思えぬ「稽古」の日々…スクワット500回、毎朝365日休む事無く淡々とやっていた「次兄」の姿は、今でも眼に焼き付いています。
 そんな「次兄」の凄まじさは、枚挙に暇がありません。
剣道用の胴を足刀横蹴りで、割ってみせたり、あっという間に五六人の暴漢を倒し(本当に型通りに次々に関節を破壊していました)
平然とし、また「入れて」あげる姿を…闇夜に響く「叫び声」は、人のものとは思えないことを覚えています。外されるより「入れる」ほうが、数倍痛いですからね…。
空中に投げ上げたレンガを一刀両断にしてみせたり…今でも真似出来ません…。

いつになったら追いつくやら…今「組手」をしたら…まだ勝てる気がしません。いくらか美化されているかもしれませんが、そう思っております。
by katsumi-okuda | 2007-10-11 00:46