2004年 07月 07日
ここらで分かりやすく「武士道」を考えてみませふ。
「恥ずかしいからやめなさい」とか「周りに迷惑のかからないように」とか誰もが耳にしていますね。どんなときに使われているでしょう。多分親御さんが、自分の子供に対して何かをしたときに咎める意味合いをこめて何気なく使っているフレーズではないでしょうか。 実はこのフレーズこそが、忘れ去られた武士道の名残りの一つなのです。そして最も大切なフレーズだからこそ現代まで脈々と残ってきたと言えるかもしれないのです。
「廉恥心」(れんちしんと読みます)という言葉を知っていますか。先ほどとは逆に知らない方が、多いと思いますが、では「恥を知れ!!」というフレーズはいかがですか。叱責の時の言葉としてのみ機能して正しい意味合いが伝わっていないようですが、これこそが「廉恥心」であり、正しい意味としては「一度失敗して恥と感じたからには二度と同じような失敗はしないようにしよう」ということです。つまりこれこそが、先ほどの「恥ずかしいから…」という理由の一つなのです。考えてみれば凄いことです。江戸時代に開花した「武士道」が、現代でも日本人の文化・背骨として生きているのです。そして現代に生きる私達にこそ「武士道」は必要不可欠なものではないかと考えています。 武士道精神が、社会を包んでいたからこそ江戸時代は数百年も大きな戦もなく過ごせ(そんな例は世界にないそうです)、明治維新後や第二次大戦後の目覚ましい「復興」の背骨を貫いていた精神と国民性こそが「武士道」そのものだったと今では再評価もされています。 ちなみに、それほど優れた「道徳感」や強い社会としての「意志」は現代にあるのでしょうか。戦後教育や経済優先の社会は、質素倹約や感情を表に表さないこれまでの生き方を否定し、享楽のため単純に目先の利益追求のためにのみ機能し、人として日本人として最も大切な原理原則を無視し続けた結果が、現代社会の混乱と低迷を呼んだとも言われています。 ここらで私達市井の武道家たちからもう一度「武士道」を考えるべきではないでしょうか。武の道を説いている以上、実践と理論が一致しなくてはならないしそれ以上にその考えを社会に何らかの形で還元していくべきだと考えます。
by katsumi-okuda
| 2004-07-07 08:49
| 評論
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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