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武道カラテ稽古日記

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頭と心…柔軟に

 以前、機会があって昔の先輩が型と試し割をやっている演武をDVDで観ました。
 その昔、本当に組手も強く、型の上手い印象のあった先輩…確かに年もとっていました(自分もですが…)懐かしい思いで見始めました。

 その型は、皆が知っている型なのですが、まるで違うもののように見える…よく言えば独創的、悪く言えば…。
そこに昔日の先輩の姿を見ることは出来ませんでした。

今では一人で道場を持ち(当然人にも教えているようですが)やっておられるようなのですが、ご自身のお考えがあってのことと察しはしますが、敢えて同門そしてカラテを志している者から言わせてもらえば、その型に正しい理も智も見られず、ただ独りよがりの力任せの動きにしか見えなかった。

 一人で考え一人で稽古する難しさを図らずも、「先輩」から教えてもらったこととなりました。
 特に年とともに「頭も心」も固くなるようです。
人の意見「聞いているようで聞いていない」、頑な心をいつの間にか作り上げてしまう。新しいこと正しいことを純に受け止めようとする頭が…回らなくなる。哀しいことです。

 年だからではなく、いつも新鮮な正しい「心」を持ち続けなければならないと実感してしまいます。
 どんなことにも興味を抱き、いつも何が正しいかを考え、自身の間違いを質す姿勢を保つこと。
 其れは何も、カラテに限ったことではなく全てについて言えることだと言われている筈です。
わかっていながら出来ない、やれない…老いも若きもそのことに差はありますまい。このことを私は、努めて尊守している一つなのです。なぜなら、それも武道の鉄則だからに他ならないからです。

カラテとは、武道とは、理と智の集合体です。
正しい理と智に導かれてこそ力に関係なく絶大な威力を出せるものなのです。その正しさをその通りに行う、いついかなる時でも発露出来る姿を作り出す、その為に「柔軟な頭と心」が必ず必要となるのです。

そして、それを若い人たちが得る一つの術として私は「礼」があるのだと思っています。
 人に真に感謝し言葉として発する姿勢は、それに通ずる心の正しさを養うものだと思っています。初めは形からでも、そのうち心から感謝や敬愛の念をこめての「礼」が出来上がっていきます。
そこに真摯に物事を受け止める姿勢と柔軟な心が出来上がるモノだと考えております。特に子供達には、大切なことです。

 私達大人も、それについての範を示さなくてはなりません。
年だからこそ、上級者だからこそ真摯にさまざまなことを正しく受け入れる心を鍛えなくては、真の「武」には辿り着かない…。
by katsumi-okuda | 2007-07-20 01:52 | 稽古日誌