2006年 10月 29日
平生を保つ…その難しさ
私たちの道場では、年配者(三十代以上)の皆さんが、大勢頑張っておられます。大変素晴らしいことだと、いつも一緒に稽古していて感心しております。
それだけに、組手(あくまでも私たちは実戦を目指しておりますから)に関しては、考えたモノが必要となります。 今日も一般(社会人)の方々との稽古の際、話したことですが… 「年長の皆さんは、組手の際念頭においてもらいたいことは、一つだけです。それは、どんなときでも平生を保ち、事に当たるよう心がけて下さい。特に組手において相手が、ガンガンきたからといって、自分も負けじと激昂していたのでは、結果、体力負け、良くても身体に損傷を負うことが、少なくないことを知るべきです。 カラテの上級の組手とは、相手と和合すること。相手を意識の上から上回る組手を創造すべきです。」 以前にも書いていることですが、私たちは「生涯実戦」を標榜している以上、これは避けて通れない命題なのです。 最も重要で、最も難しい命題の一つです。 私にしても、その時の心意状態によっては「力任せ」が、顔を覗かせます。日常から心がけてはいるものの…難しいことには変わりありません。しかし、だからと言って何も考えずにことを成すべきではないと絶えず自戒しております。 組手において、相手との「呼吸」と「意」を合わせ、「受け」を主体とし、瞬発的な「攻撃」を要所々に織り込み、相手の攻める意識を寸断していくことを念頭におく。 相手の攻撃を「いなし」「流し」「捌き」ながらも、攻めの姿勢を崩すことなく、受けきれること。そして、刹那に反撃に出れること。 そのためにも、すべての稽古の中から、揺るぎない「姿勢」を内外に作る…稽古のすべてを無駄にすることなく、自身の組手の一助とする…そんな意識を持って我々年長者は、稽古すべきである。 そんな組手の注意として「受け」に関して、もう一つ。 「受け」は、あくまで次の自身の攻撃の起点でもあるということを忘れてはならない。 私の「受け」の殆どは、相手の攻撃を「去なす・流す」ことに終始している。相手の攻撃を必要以上に「力」では受けないことにしている。力で受けてしまうことによって、相手に次を悟られることを嫌うからである。相手に与える情報を少なくしているとも言える、この「受け方」は、自身もまた相手も最小限の損傷で済む…つまり、相手の攻め込む気力を一瞬寸断する効果が存在し、そこに上級の組手の「和合」の一つがあると断言出来る。 難しいことですが、これを成し得たとき…一歩、次にすすむことが出来ます。そして、生涯実戦の何たるかが、少しは見える気がしております。みなさん、心して取り組んで下さい。
by katsumi-okuda
| 2006-10-29 01:17
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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