2005年 12月 16日
質問に答えて…その壱
「なぜキツい稽古をやるのですか!?」
大変、素朴な質問ですが、取りようによっては奥の深い命題として、いつの時代にもあるうちの一つです。 人は「知」を授かった代償として「悩」を得てしまいました。そのうちの一つが、現代に置き換えて言うところの「ストレス」。 「運動」するということは、身体に通常生活していく以上の「負荷」を与えていく事。それによってさまざまな恩恵と同時に「負荷」を追う事を意味します。 つまり、疲労感・筋肉痛などがそれです。 そして、運動をしていくことで得られるはずの「達成感」…時として得られたり得られなかったり…。 「ストレス」とは、そんな時に無意識に溜まっていくことになります。 大抵、それを糧にして次の目標達成のための一助としていくのが一般的プロセスと言えます。 つまり、ストレスも「向上」のために大切なものだという事を私たちは、幼い頃から教えられ、意識する事なく、それを実行出来るようになっているのです。 しかし、社会生活において、それ以上のストレスが、容易にかかってくるのも現代社会。 そのストレスに対してどれだけ適応力・抵抗力があるかないかは、個人の資質によるところが多いようにも思われますが、幸い私たちは、それを受け止められるだけの術や方法、そして自身の鍛え方を知っています。ストレス解消にと娯楽やスポーツがあげられるのは、その一例でしょう。 そして、私たちは、この日々のキツい稽古を通じてそれに適応・対抗しようという「心」を培っているものと考えております。 難しい事が、出来なかったり、稽古不足で他の人との差がついた事を悔やんだり、組手で痛い思いや悔しい思いをしたりする…その全てが「ストレス」であり、日々暮らしていく私たちの「糧」だと信じて疑いません。 もちろん「強く上手くなること」も一つの目標ではあるのですが、現代において一つの大きな「武」の効用があるとすれば、私はそれだと考えております。 「心を鍛える」と武道では、よく言います。 それこそが、そのことをさしているのではないでしょうか。無論、やっている人達にとってどれが一番大切なのかは相違がありますが、少なくとも心すべき点であることには代わりはないことを皆さん、お忘れなく…
by katsumi-okuda
| 2005-12-16 12:07
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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