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武道カラテ稽古日記

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試合のことをアレコレと…

  日曜にTVでK-1をやっていました。
格闘技という括りで見て感じたことが、ありました。
それは単純に言うと「闘争心」。

 決して戦っていた日本人選手たちにそれが、ないとはいいませんが、他の欧米の選手のそれと比べると何か物足りないものを感じてしまいます。単に民族性や資質の違い、置かれている環境の違い、そして、本質的な骨格の違い…さまざまな要因はあるのでしょうが、何かここのところ格闘技全般に言えることなのですが、何かが足りません。

 キックの藤原先生ともよく話題に上るのですが、今の人達には自分達の世代に比べ是が非でも「勝たなければ」という「覚悟」や「飢餓感」が欠けているように思われるフシがあります。よく練習もこなし外国の選手にひけを取らないくらいの身体能力がありながら、いざと言う時にその全てが使い切れていない。

 指導者として選手を育成していく時、やはり第一にそれを教え込まなくてはなりません。試合に臨み「冷静沈着」な理性と稽古に裏打ちされた「闘争心」という本能を半々に持ち合わせること。それなくして戦略も技術もありえないと考えています。

 
 私は、二十歳代に渡米し空手の指導をしていたことがあります。
(訳あって一時極真を離れていた時期、縁あって他流派で修行中)

 そのころまだカラテは、一般的ではなく、日本文化の珍しいものの一つとして捉えられていましたが、そこは「実力の国」アメリカです。
 いくら日本からきた指導員とは言え、実力を示さなければ一切認めてもらえず、おとなしく優しく指導していては、どんどん馬鹿にしていきます。ついてくるのは子供達だけ。幾度となく挑発され続けました。初めは、そこを紹介して頂いた方に迷惑が掛かるから大人しく耐えていればいいやと思っていましたが、あまりに無礼な態度が続いたものですから、そこの一般部(大体40〜50人)全員と「組手」をやることになってしまいました。
 幸い初めの4,5人とやった段階で決着がつきましたので、あまり大事にならずには済みましたが、その時の心境は…「全員どうなっても知らんぞ!!」という今考えても殺伐としたものでしたし、その時の自分の顔は…(後で聞いてみると無表情で青白かったそうです。相手の体格から考えて自分も「死」を「覚悟」していたのではないかと思います。
 当時、身長170に体重僅か60㎏台の痩身。体格的に勝てる勝負ではありません。
ひとつに今程カラテが認知されていなかった点と当時から特異な私の戦い方と其の為の戦略、そして「覚悟」の差が、全てを決めたものではないかと今振り返ることが出来ます。
(この模様は、回を改めて書いていきたいと思いますので詳細は、後程…)

 確かに「覚悟」だけで勝負に勝てる程、試合は甘くはありません。
しかし、それのあるなしでは、勝てる試合も落としてしまう大事な要素であることには変わりありません。
 ここ一番と言う時、踏み込む「勇気」と自分の身体を捨ててでも打ち合う「覚悟」があってこその勝負。
 そしてそれを培うものこそ、日々の「稽古」と「意識」の高さなのです。
それを教えずして試合の場に選手を送り込む愚は、指導者として避けなければならないと共に日々、選手と同じ意識を持って稽古に臨む「覚悟」も私は絶えず持ち続けたいと思っております。
by katsumi-okuda | 2005-08-16 22:22 | 稽古日誌