2015年 04月 23日
武道であること
どうしても書いておかねばならないこともある。
先般行われた大会でも、そうだし、私たちの大会でも、見受けられたことの中にどうしても承服しがたい出来事が、ここの所散見している。 それは、「勝ちにこだわる」あまりに規則を守らない、いや曲解してしまう者が、見受けられ他の選手、ご父兄に不快なそして釈然としない気持ちにさせてしまっている… 確かに私たちのやっていることは「競技」だし.その為のルールも当然ある。 ただ、その前に私たちの目指しているものは「武道」であるということ。 大前提として大会ではそのバンフレットやプログラムに必ず「勝敗等に関しては一切受け付けない」趣旨が明記されているということ。 また「競技以外でも他人に迷惑を及ぼす行為をしてはならない」とも書かれている。 それなのに、である。 判定に不服だと手近な審判に食ってかかる輩、試合場をバンバン叩き怒声を上げる輩、体重判定がおかしいと再試合させろと食い下がる者。何故だか試合順を勝手に変更を申し出る者⁇ また、お手伝い頂いている女性スタッフにつきまとう等… はっきり言って、そんな選手や関係者は、いらない。来なくて結構だと申し述べておく。 いくら勝たせたいからといって、そこまでするのは、私たちの道に反している。 全力で闘った結果、勝ち負けがある。 しかし、その優劣を決めるのは自分ではないのだ。まして応援に来てる指導者や周りの者ではない。その時定められた「公正にして経験豊富な審判」によってである。 また、どうしても不可解、不明瞭な点については、その時の審議委員なり運営委員なりにその趣旨を申し出、それから裁可を待つのが手順であり、その場合でも、納得するしないに関わらず話を聞いてもらうだけである。何故なら、そこまで勝ちにこだわることを潔しとしないからである。 私は道場生や選手達に言い聞かせていることがる「人様の試合、大会に出る以上、圧倒的な優勢勝ちか一本勝ちしかないと思え。判定に不服不平を言ったり、相手反則、例えば顔面強打を殊更アピールするようなみっともない真似だけは絶対にするな。それを決めるのは試合である以上「審判」に委ねるべきもの。そうでなければ、武道は立ち行かない。」 「判定とは、最も近い主審の目や副審の眼でも、相違はあるもの。まして、離れている応援席などからは、うかがい知れないことも多数あるもの。だから、試合である以上、審判の判断に任せなければならない。」 「…本当に顔面を強打され頭を振られた倒れた者は、必ず立ち上がろうとする…本能でそうすると聞く。または昏倒し全く動かなくなる。だから、一拍おいて派手に倒れようとしている者は、ただのアピールに過ぎない「みっともない行為」であり、観ている者に知れてしまう恥ずべき行為なのだ」 武道とは、一つに潔さがあり礼節がある。 試合をするまで、または、それまでの稽古の過程では当然勝つ為に全力を尽くす。 中には全てを捨て精進する者もいる。 だが、だからと言って絶対勝つとは、限らない。 判定で惜しくも負けた場合、納得するしないに関わらず、まず試合という場を設けてもらった全ての者に感謝の意を表さなければならない。当然、闘ってくれた相手もである。 相手がいてくれて今の自分が、わかる。 そして、それからまた、新たな挑戦を心がける一助とするのである。 負ければ当然、悔しい。 しかし、それを直視し進むことこそがぶどをやっていく意味ではないかと私は常に思う。 全力で事に当たれたのであれば勝ち負け等どうでもいい。優劣は、試合である以上他者に委ねるべきもの。そして、自身の心が決める事。 どうしても勝ちにこだりたいのであれば、だれにも文句の言われない勝ち方をどんな状況下でも、やる事。やれる自分を作り上げその場に臨むことでしかない。 確かに運営する側の手違いというものもある。 しかし、それもまた試合であると私は考えている。どのような状況下にあっても対応出来ることもまた私たちの目指している武道の一端ではないだろうか。 あらためてここに書き留めておく。 私たちは「武道団体」である。 ゆえに横紙破りな輩には厳然とした態度を顕にする。そして自らも、それを尊守し体現出来る心身と姿勢を堅持することを表すこととする。 …そうでなければ懸命にやっている選手そして運営にかかわっておられるスタッフの皆さんに申し開きが出来ない。
by katsumi-okuda
| 2015-04-23 11:03
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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