2014年 02月 04日
モノの見方と…
さて、いつもこの時期は、冬と春のせめぎ合い。
稽古場の床から足裏を通して寒さが、痛さに変わる。 それでも、身体はそれなりに汗をかく。 心身共に鍛えている(?)という実感を肌身に… 春の大会を目指してみんな、稽古に鍛錬に精進しています。 三月末、少しは「春」らしく暖かくなっていることを祈りましょう。 さて、そんな大会を目指している稽古の中、選手のみんなは、それぞれに目標をおいています。 大会そして試合には、「型」「組手」が、あります。 時として、私たちのカラテの主体が「組手」であるために勢い「組手至上主義」に陥りやすいことが危惧されています。武道である以上、型の一つも出来なくてその解釈が出来なくて何のカラテなのかと言わないまでも、まだまだ、その型に関する意識が薄い気がします…特に若い人たちには。 私は、子供たちによくこんな話をしています。 「組手は、時の運、ラッキーで勝てる場合もないこともない。でも、型の試合は、絶対そんなことはないね。逆に一つでも、わずかな失敗で負ける。」 「型の試合とは、どれだけふだんの稽古でやりこんだかによる。だから、型の試合で勝つということは、組手で勝つのと同じようにとても難しいということを知ってもらいたい。」 ですが、まだ私たちの団体が生成期にあるがために、というか実戦系の団体が、型試合を行う歴史そのものが幼い為にまだまださまざまな整備が、待たれる状況ではあります。 一つに型に対する統一見解であったり、型競技の為の規定であったり問題は山積みなのが現状ではあります。確かにすぐにでも、その規定なりを整備していくのが筋なのですが、現状試合大会をこなしていきながら、固めているというのが実情と言えましょう。 何故、そのようになるかはここでは論じません。 そんなことよりも、試合に臨む多くの選手の為に今何を成すべきかを私たち指導者は、それぞれに苦慮しなければならないと感じております。 そこで私見ではありますが、私たちの大会の「型試合」の「規定」そして見解を述べたいと思います。例えば、型試合の評価のやり方の一つとして私は「技術点」「表現力」の二つを基準にしています。 型そのものに細かな相違が、それぞれの道場にあります。 それは、型を指導する先生方が、どこで誰にいつ習ったかによって大きく異なるからですし、それをまた尊敬しこそすれ否定することは、出来ないものだと思っています。 ですから私は、各県の大会で審判を勤めるときは、その主催者の意向になるべく沿う見解で評定するように心がけています。 それでも、本当に「基準」となる「見方」はあるものだと思っています。 そこで、下記にその「基準」を述べたいと思います。 「基本的基準」 何にせよ私たちは「実戦の徒」なのですから、いかに型とは言え「それで人が倒せるか制することが出来るか」を基準にしなければならない。 技術点…例 一、正拳、手刀などが正しい形に保たれているか。 二、引き手、蹴り足の引き方が正しいか。 三、立ち方が、正しいか?無闇に落としたり不自然になっていないか? 四、運足が正しいか?スムースに瞬発力をもって動いているか? 表現力とは「その型で仮想の相手が、倒れるか?制しているか?」である。 つまり、技の「緩急」「強弱」とは、そのことである。 単に「力んだり」「ゆっくり」やれば、よいというものでは決して無い。 端的に言えば、カラテを知らない人が見ても「上手だ」「迫力・気迫が感じられる」ものでなければならない。 手首の曲がった正拳や不自然な動きは、ただの形であって本当の型ではあるまい。 私はいつも、そう思って型の稽古に臨んでいる。 だから、その時々(自身の心身の調子)によって満足の度合いは、まるで違うものになってしまう。 ましてや、それらから「組手の核」となる「技・動き」を心身に身に付かせようと言うからには… ですから、今大会型試合に臨む子供たちには、出来ないなりに自身の「目標」を定めて努力することを申し伝えております。 難しいことに挑戦しているんだという気持ちと当日の集中と緊張感を一心に浴びることを最上の稽古だと思って立派に挑んでもらいたい。例え、結果は今すぐでなくとも、その心意気を忘れて欲しくないですね。 一つ一つを丁寧に正しく行うことの難しさ。 そこに相手を想定出来る想像力の難しさと楽しさ。 それらを統合出来る自分の高まりを実感してもらいたい。
by katsumi-okuda
| 2014-02-04 00:23
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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