2011年 08月 01日
葉月…年の折り返しに
ふと気がつくと合宿に来られているメンバーの年齢が…。
それ相当に「壮年」の方々なのですが、皆さんお若いです。見た目もそして、動きも…。 例えば、クラブの女性の方々とは、もう七、八年のお付き合いになりますが、皆さん変わらず若々しくお奇麗で(お世辞じゃありません)まして、聡明な方ばかりです。 何かを懸命に学ぼうとされている皆さんは、身体もそして心も、きっと若いのだと確信致しました。 私の歳になると会社勤めならば、あと数年でリタイヤの年代です。 同輩との集りでも、話題と言えば「健康(自分の病気自慢!?)・孫の話し・そして墓の話し、果ては、あと何年生きられるか」などと冗談ともつかぬ話しが蔓延し、少々辟易と致します。 私といえば、どうしたことか、そういう場には馴染めず居住まいが定まらない。 口の悪い友人からは「お前は異形だから来ないでくれ」とまで言われてしまう始末…。 逆に褒め言葉と思い笑っていますが、心中は…。 誰しも、いや万物「老い」は、避けて通ることの出来ない事象です。 私にしても、ふと「それ」に恐怖することがあります。 そして、それがまた、自身のモチベーションになっていることも事実であります。 衰えたくないという思いが、日々の稽古、いやふだんの立ち居振る舞い、すべてに現れているようであります。考えるに「それ」は、身体のみならず「心」そして「頭」をも浸食するものだと思っています。 よく年配になると「昔はよかった…」の話題が出てきます。 それ自体悪い事ではないのですが、あまりにも、それに寄りかかり過ぎてしまう心情が、私には理解出来ないでおります。 確かに昔日のことを懐かしむ心持ちは、悪いものではありません。 しかしだからといって、今と昔の自分を比べるべくも無い。 当然の事なのですが、人とは時として、そんな簡単なことも忘れてしまい、ただ停滞する愚を自身に冒してしまうようです。 ちなみに私は、どうやら頭の中や心根は「二三十代」で止まっているようです(^^) 頭の中が幼稚とも言えるのですが、このままだと立派な「六十の小僧」が出来上がってしまいそうで… 確かに歳と共に体力も落ち、物覚えも悪くなると言われています。 しかし本当にそうなのでしょうか。 私は心身共々、ある程度、適度な刺激を与え続ければ、それなりな深化、そして停滞を少しずつ遅らせる事が出来るのではないかと思っています。 まして、昔に比べると今の私たちは、生理学的見地から観ても、身体的にも若くあると実証されています。それならば「年齢とは単に戸籍上の印」ぐらいに考え、日々鍛え続けることを良しとしたいと思っていたりします。 ふと今回の合宿で気がついた事があります。 一応に皆が「砂に足を取られ太ももやアキレス腱が、筋肉痛だ」と言っていました。 しかし、私は思いもよらぬところに「強ばり」が出ていました。 それは私だけのことかもしれませんが「腰から背中、背骨周り」です。 表層の筋肉を使う事から内層の筋肉や骨格で動くこと。 それが私の一つのテーマでしたが、どうやら少し形になってきたようです。 「若いウチや出来る時は、徹底して鍛錬に費やせ。そうすることであとから必ず適切な身体の動かし方が出来る」と若い頃、ことあるごとに、さまざまな先生方から教えて頂いたこと。 それが、どうやら「この歳」だからこそ見えてきたことなのかもしれません。 そう思うと、どうやら年を取ることも一概に悪い事とは、思えません。 そして…幼い少年部だった「皆」が、今では立派な「指導員」として私の片腕として動いてくれています。それを観ていると…これまた年を経ることも満更でもないと思ったりもします。 歳と共に変化する自身と対話しながら、次を観る。 それが、武道の一つの有り様だと私は、思っています。 そして、それが私の大切なモチベーションだとも思っています。 さて、あとこの年も折り返しです。 今まで以上に成果を出せるよう努めていかなければなりませぬ。 若い連中に追いつかれぬよう、もっと加速して参りたいと思っています。 立派に老生することは、どうやら無理らしいこの身です。 ならば「六十のやんちゃな小僧」目指して参りたいと思います。 …あまり、はた迷惑にならないようにはしたいと思いますが…さてさて…。
by katsumi-okuda
| 2011-08-01 02:36
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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