人気ブログランキング | 話題のタグを見る

武道カラテ稽古日記

ブログトップ

今一度、正しさを

 久しぶりに「上級者」のみの稽古となりました。
何かの拍子で土曜はTさんとマンツーマン稽古となりました。
幸いではないですが、月末の合宿と特別昇段を控え、さまざまな稽古を行いました。

といっても、高度なものは何もありません。
気をつけて行ったのが、改めて基本の「形」の確からしさとその使い方です。

その一つが、私が「独り稽古」の時に行う「ゆっくりとした」稽古です。
前屈のまま逆突きを行います。そのさいの手首の返し…付きを出す早さに沿って手首、拳を反転させていく…決して当たる直後で一気に捻るような突き方は、しないように…。
やってみるとクセのあるTさんは(以前伝統派での経験があるため)、呻吟として難しそうに唸っております。直後に捻るのは、あくまで顔面を狙うことを主目的とした伝統的な突き方、手首の使い方です。
それに加え、私たちの競技では相手の胴体に当てていきダメージを浸透させていく突き方を思考しなければなりません。また、極端に手首をひねったりする突き方では、近い将来、手首、肘そして肩にダメージを残してしまう危険性が大きいと言えます。

そして、組手の足運びの元となる「移動」も同じです。
前膝と前足首の使い方、腰の運び方と力の入れ方…出来るだけ後足で蹴る進み方は慎むこと。
その相手に悟られない「滑るような移動、歩法」は、私たち年長者の一つの「技」となるのですから…
力やスピードで若く勢いのある者には、到底物理的に無理があります。
そうであるなら、余計に意味ある「動き方」を自身でマスターしていく必要があるというものです。
但し、何度も言いますが、それも相手の突進をある程度真正面から捉えられるだけの「ふだんの体力」が、あればこその話しです。

私は、組手に関して言葉遊びはしてはならないと断じています。
理屈では、そうであっても、競技として成り立たない技は、技ではない。
極端なことを言えば、万人が、出来る事でなければ、今の時代に伝承するに値しないさえ思っています。古伝の型にさまざまな意味合いは、確かに存在するものです。
しかし、それを今の世界(競技)に使う応用するかは、別問題なのです。
部位を徹底的に鍛えることも、よいでしょう。
身体能力をその動きの中から思考し上げていく事も、大切な事だと思っています。
しかし、そのどちらも競技として成り立たないのなら、別の道筋をつけていくべきだと思っています。

すべてのことに応用の利くのが武道のよいところでもあります。
健康の為に動きの質を高めていく事。
老齢のカラテを模索する手立てとなる基本と移動の関係性。
そのどれもが、ふだんの稽古に横たわっているものだと思っています。

そのことを少しでも、思考し実践していくことが私の一つの標でもあります。
痛いところ不具合な所をあげれば、本当にキリがない。
しかし、だからこそ見えてくる考えられるものもあると思っています。
とは言っても、そんな身体を騙しだまし使っていて良いとは…。
そのへんが、もう一つの悩みでもありますが…。
by katsumi-okuda | 2010-10-10 18:40 | 稽古日誌