2007年 06月 09日
型稽古の意味と捉え方
何事でもそうですが、意味合いを考えてやってこそ…です。
日常の基本から型に至る「稽古・鍛錬」はその最たるモノです。 決まり事だから、やっているだけでは何の足しにもなりません。 そこで「基本や型をどう意識して稽古するか!?」です。 特に「実戦」の場にあって、無数に飛んでくる相手の打突に対処しながら(耐えながら)「理」が実行出来るかと言えば…考えながらでは、まず不可能と思われます。もし、考えながら出来る人がいたら…それこそ達人か奇人(!?)です。 凡人の私達は、それを無意識に使えるようになるために、普段の稽古を最大限に意識し「理」と「動」を合わせていかなければ、決して身に付くモノでは有りません。 ただし、意識し続け、果てに「感性」として身に染み込むまでやり尽くしていけば、不可能ではありません。 簡単に出来る事ではないにせよ、必ず効果・効用のあるもの…それこそが「稽古」の真の姿だと思っています。 三戦の立ち方での「基本稽古」 その場で立ったまま満足に手足が動かせなくて何の組手でしょう…これは、よく私が口にする言葉です。 三戦での立ち方は、接近戦での腰や軸の確からしさ、そして技の瞬発力を矯正・強化します。日々違う心身を確認する作業としても私は使っていますが、基本で満足に出来ない技は、技にはなっていない事を知るべきです。 その場立ちでの足技も、同様です。 その場でバランスと最大限の威力・スピードを維持出来てこそ組手の際、一瞬の隙をついてピンポイントで相手を制する事が出来る蹴りを身につけられる。予備動作無く、相手に感じる間を与える事無く蹴れる「相対としての最速」を身につける為にこの「基本」はあるとも言えます。特に苦手な蹴りを修得していく過程で組手の動きの幅が、広がる事を確認出来るモノです。 そして、私は「三戦」の型とその基本で身に付けたものとは…。 背中の使い方とその呼吸そのものです。 相手と触れ合う腕に力を入れず(入れてしまうと相手に力やその方向を悟られてしまう)背中で力とその「呼吸」の成り立ちを感じながら稽古しています。それによって超接近戦からの相手の突きを外し「相手に見えない突き」を出す事が可能となったと感じています。(その突きと外しに困惑している皆さん…そういう訳ですので悪しからず)また、三戦の移動と軸の変化を相手に悟られずに出せるまで稽古し、最速の「外し・捌き」を体現していきたいと考えております。それが、いつでも可能になる時、相手は実体のない相手と戦っているかのような感覚に陥ると実感もしています。 型の稽古によって、まず皆さんは、第一に正しい軸の取り方と転身による身体の変化を心身共に学びます。 第二にそれによって造り上げられた筋骨をもって実戦で無駄無く動けるモノを身につけるものと感じて下さい。 第三にそれと平衡して真の護身としての効用を学び「武術」としての「深化」を知って下さい。 修得するのにそれほど時間のかかるものではありません。 誤解のないよう…真摯に稽古を続けていける普通の方でその「初伝」に達すると言われています。 そうでなければ、技として万人に広がりませんし、時が経ち過ぎると「カラテ」そのものが変遷してしまうからなのです。 要は、考え感じながら、そして実戦で使いながら稽古するかしないかだと思います。それがなければ…それは、哀しい事にカラテに似て非なるものとなってしまうことをお忘れなく…。
by katsumi-okuda
| 2007-06-09 02:10
| 評論
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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