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武道カラテ稽古日記

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黒帯とは…続けるとは

書いているようで書いてなかった項目ですね。

黒帯とは、一定期間の修行の後、師に允許してもらった者が、締める帯であり、そこが終着では無く、何ものにも染まることの無い「黒」からまた始めよ、何ものにも揺るがない者という具象具現化したものであるとされます。

確かに武道の場合、修行の長短はあれ「黒帯」は修行する者にとって一つの憧れであり目標でもありましょう。

ですが、当然そこで終わりではありません。
人それぞれですが、そこから、何を学び何を自身の生活全般に活かしていくかが、大事。

私たちの世界では、その競技特性のせいか、黒帯をとると、途端に稽古をしなくなる、やらなくなる傾向が一時ありました。
ですが、時代が変わり、そこからまた稽古に励まれる方々が、多くなったことは喜ばしい限りです。
ただ、どうしても、仕事の都合や体調面などでそこで「一区切り」つけてしまうことも、少なくありませんし、それもまた、仕方ないことと思います。

ですが、折角習い覚えたことなのですから、例えば、道場に来られなくともご自身の健康のために習い覚えたことをふだんの生活に活かした頂きたいと願っております。

武道は、スポーツとは違います。
体力がなくなったから、出来ないとか止めるというものではありません。

例え、道場という場から離れたとしても心の持ちようで成すことが出来るものだと思っております。武道としての考え方や行動そしてその感性は、ふだんの生活に活かしてこそなのですから。

これから昇段される方々、そして、黒帯の皆さんは、今一度、他の道場生以上にそのことを考えて頂きたいと願っております。
私も、齢老年の域に差し掛かっております。
出来ることも、少しずつ限られてくるものだと日々実感しております。
ですが、例え自身の身体が動かなくなっても、後に続く者に、何某かを伝えられることが、あるのなら、そうしていくことが武道を志した者の務めだと思っております。

人は人です。
誰かと比べて、成すこともありましょう。
ですが、日々の稽古を鑑み、思い巡らすのは、他の誰でもありません。
自分自身なのですから。

昨日の自分を省みて、また今日に努める。
そこに他者との比較は存在しないのです。

老若男女、すべての人たちに武道とは、あるべきもの。特定の人や年代だけが、出来る、そんなものは、武道とは、違うということを忘れてはなりません。

歳を重ね、若い人たちと比べ、自身を何気に卑下する方々が、いらっしゃいます。
自戒を込めて思うことは、悪くはありません。
ですが、それをもって、諦めたり止めてしまわれないようにしてください。

歳を重ねなければ、わからないことも、沢山あるのですから。

歳を重ねたからこそ出来ることもあるのです。
それが、武道というものです。

年末年始、彼方此方で昇段審査会が、ありますので…その前に述べておきました。
受審される皆さん、そして、既に黒帯の皆さん、今一度熟考しことに当たってください。
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by katsumi-okuda | 2015-11-04 15:04