2014年 02月 20日
モノの見方…その弐
冬季オリンピック、毎日熱戦が繰り広げられていますね。
門外漢でも、見てる分には楽しく見ております。 (それでも幼少期は、北国で育ちましたので今でもそこそこスキーは出来ますが…) 以前にもお話ししましたが、それでも「裁定」に「!??」と思うことも侭あります。 それも、仕方ないことなのかもしれませんね。 あくまで私たちは、どんなに興奮し身びいきしようとただの素人なのですし、現場の有り様やその裁定についてとやかく申せる筋合いはありません。 その競技の裁定に関しては、その道の「プロ」の皆さんに任せるほかありませんね。 しかし、それでも、人が人を裁くことの難しさは並大抵ではありますまい。 一瞬の動作からすべてを割り出し算定していくのですから裁く人たちもまた、数多くの「学習」を過不足無くやり続けていかなければならないことでしょう。 そして、それらは私たち競技の「審判」を行う者にも共通した考え方ではあります。 例えば、組手ならまだしも、型においての判定や裁定を行う為に私たちは、どれほどのことを学ばなくてはならないか今一度、再考していきたいとも常々考えております。 無論、競技なのですから「判定基準」または「基準値」はあってしかるべきです。 但し、それを使いこなすだけの技量が、私たち「審判」側に求められるのも又事実です。 型の修得に関し、人それぞれの見解があることは私も認めますし、それはそれでどれも正しいとも言えましょう。 ですが、忘れてはならないのは「私たちのそれは、極真の型であり、他流のそれではない」ということです。 つまり「その動きをもって人を制する倒すに至る形、勢いになっているか否か」を元に観ることが、求められるはずだと考えております。 では、どれが、どういう動きがそうなのか!?という問いが生ずるはずです。 それは、個々の大会の「基準値」の示すところであり、以前私が述べた「基準値」がそれに当たるとしましょう。 そして、それより何より、それらをどう判断するか、それらを観る側にかかっていると考えています。つまり、審判をする私たちが、ふだんから型を幾度となく突き詰め修練し思考熟考し研究していなければならないと言うことです。 私事で恐縮ですが、熱心に型を研究し修練したのはここ二三十年程度です。 それでも、やればやるほど疑問も反省も生まれる毎日なのですが…。 そして、それら幾ばくかの経験を元に指導し、そして審判にと臨んでおります。 ただ、だからといって私のやっていることが全て正しくその通りにやれとは言いません。 何故なら、当然稽古をする人たちの年齢、性別、資質その全てが違うからです。 そのためにそれらを行う人たちに適する動きなり形を指導することにしています。 ですが、その全てに「共通」する動きなり考え方なりは正しく伝えるように努めてはおります。 私たちは、極真カラテの徒である以上、それに沿う「形」「型」でなければならないのではないでしょうか。無論、再三申しているように古来から伝わる型の意味合いも十二分に承知の上でです。 伝統的な型の意味合いは、それはそれで素晴らしいことだと理解もしていますし尊重もしています。 ですが、私たちのやっていることは「極真の型」なのであり、他の何ものでもありません。 私は、どんなことであれ組手(競技)に使えなければならないと考ている一人です。 それが、基本であれ移動であれ、そして型であれです。 使えなければ、教わるほうは、ただの形ばかり、文化的な意味合いや審査の為のモノとしか受け取らず、それこそやっている意味が無いとばかりに等閑な型をただ手順を覚え、終始見栄えのするやり方だけを求め愚に走る…。 そんなことは、私は認めないし道場生たちに求めもしない。 ともあれ、観る眼がなければ、それを裁定される側は可哀想の一言です。 一生懸命やってきたにも関わらず、どうして勝てないのか釈然としない。 そんなことのないように私たち観る側は、一層の精進をしなければならない。 ただ、当分の間、型の裁定に関しては議論が噴出することだと思っています。 それも建設的なことならば、私は一向に構わないし、それらによって決まったことならば従うことも当然だと思っている。しかし、間違えないで欲しいのは、自分がさしてやってもいないのにどうのこうのと言うのだけは勘弁願いたい。少なくとも、私たち観る側の者は、競技に出てくる人たちの何倍もの稽古を積んでいなければならない。そうでなければ懸命にやってきた者に失礼あたる。 「組手でもいろんな相手に当たる。その度に戦い方や考え方を変えるはずだね。だとしたら型の試合も同じように色々な場所でいろんな判定基準があるなら、それに沿うよう型を打てるようにしておこう。そのくらいのことが、出来るようになったほうが君たちのこれからの為になるからね。」 私は、子供たちにはそう伝えているが… 「ただ忘れてはならないのは、極真の型らしくやること!!素早く力強くその上で組手で相手と対しているように緩急をつけていければ尚良い。」そう付け加えることを忘れない。
by katsumi-okuda
| 2014-02-20 15:47
| 稽古日誌
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プロフィール
武道歴四十余年。主たる武道極真カラテ。昭和の名人・達人に薫陶を受け現在、私塾教育経験を活かし新たな指導法を展開。自らも日々稽古を続け、理論と実践の合一を目指しています。
道場指導以外にもスポーツクラブでのカラテ普及に努め、今まで空手に縁のない人たちに空手や武道の良さを知ってもらっています。 カテゴリ
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