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武道カラテ稽古日記

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試合前…それは自分との戦い

 試合にせよ何にせよ、大きな物事に当たる時、
そして、その成果が問われるとき。
勝負事であれば尚のこと、人は心を色々に苛まれることとなる。

 出来なかった負けた時の「言い訳」を自分の心の中に用意する。
それも自然に用意してしまう。
それを「心の弱さ」と人は言う。

しかしそれは、人として当たり前の本能なのかもしれない。
誰だって負けたり出来なかったりしたときに悔しい思いをしたくない。
だから、その時の為に、今の不安な心を軽くする為にそんな用意をするのかもしれない。

人それぞれではあるが、大抵は多くの経験を積んで行くことでそれをしなくなる。
また、軽減出来るようになる。
そして、それも「人の心」の有り様「強さ」である。

人は、多くの物事から「経験」を積む。
嫌な思いも、嬉しかったことも、そのなかで知ることとなる。
それを積み学習したからこそ整えられる「心」がある。

「もっと出来たのに全然出来なかった…とても悔しい。」
「そんな自分が、言い訳をしている自分が恥ずかしい。」
そんな思い、つまり「強い悔恨」があるからこそ、次はという思いに繋がるのではないか。
納得してないから、また挑む。
あとで後悔だけはしたくないから気持ちを奮い立たせているのではないだろうか。

試合は勝ちたいに決まっている。
やれることは、万全で臨みたい。
しかし、物事そう上手く運ぶものではない。
しかしまた、やってみなければわからないものでもある。

自分のそんな心と真正面から向き合うということは、真に大事なこと。
それによって本当の時分の姿が、わかることも多い。
有りの侭の「自分」を正しく観る折角の機会、それが私たちにとって「試合」なのです。

無理を心に強いてはならない。
ありのままの自分を正しく観る。
そして、それを保って臨むことが肝要。

「試合に負けるのが嫌だ…怖い。なんて自分は弱いんだ。だから負けてもいい。全力で持てる力を一杯に出せるように、あとで決して後悔しないよう臨もう。その気持ちだけでいいんだ。」
私は子供達にそう言い伝えます。
そしてまた、自分自身にもそう問いかけます。

そして、今のままの自分を出せるよう日々の稽古に臨むままに壇上にあがろうと
いつも、心に決めています。
勝ち負けを越え、自分との対話、自らの心との戦いを制することこそが試合の本懐。
そう私は信じて止まない。

今回の大会、私も演武を行います。
必ずしも万全ではない身体ではありますが、大会に向けご苦労されている関係者の皆さんやご父兄のみなさん、そして全力で戦う選手全員に恥じないだけのことは、やろうと思っています。
それで身体の幾箇所が、機能しなくなっても、それもまた「今の私」なのですから…。

全力を謳い弟子に強いているならば、その通りにやれなければ「師」ではない。
少なくとも私たち「委員会」の諸先生方は、皆そうです。
そして、一番年長の私が出来なくては、示しがつきませんものね…。
あと幾日か、そんな想いとともに過ごしたいと思っております。
by katsumi-okuda | 2011-11-19 00:52 | 稽古日誌